治療のゴールについて
心の病気、治療のゴールとは?
治療のゴールは、患者さんそれぞれで異なるものです。
たとえばダイエットを行うとき、体重50kgの人と体重80kgの人では、同じだけ減量する場合でも方法が違ってきます。
80kgの人は、いきなりランニングをすれば膝や腰を痛めてしまうかもしれないので、運動の方法にも工夫がいるかもしれません。
体重50kgの人は、重さを減らしたいのではなく、本当はたるんだ二の腕が気になるのかもしれません。
心の病気の治療でも同じことがいえます。患者さんの症状の重たさや苦しみの深さ、治療をすることによって取り戻したいもの、できるようになりたいこと、それは患者さんによって千差万別です。
また、症状がとても重たい患者さんの場合、すぐに自身の課題に向き合うのは、完治を目指すのではかえって負担になってしまうこともあります。
最終的に完治を目指す場合でも、まずは小さなゴールを見つけ、それに向かって治療を行っていきましょう。
治療のゴールの決め方
医師は、患者さんの治療に対する希望や日常生活での困りごとを考慮しながら、まずは現実的なゴールを一緒にみつけていきます。
そして症状を改善して、これまでと同じような日常生活や社会生活を取り戻していくことを目指していきます。
診察を繰り返していくと、医師にも病気の本質が少しずつみえてきます。患者さん本人が向き合わなければいけない課題もあるでしょう。
ですが自分と向き合うことには大きなエネルギーが必要です。
十分に回復してから、少しずつ見つめていきます。このようにして、再発を防ぐためのゴールをみつけていきます。
心の病気の治療は、どうしても時間がかかることが多いです。
根気よく治療を続けていくためにも、「いつまでお薬を続けるのかな?」「もう通院しなくても大丈夫ではないかな?」といったような疑問が芽生えたときは、遠慮なく主治医にご相談ください。
もしも治療継続中に不安を感じたら…
「お薬が合わないかもしれない」「副作用がつらい」「どうしても飲み忘れをしてしまう」「いったん症状が良くなったのに、また悪くなっている気がする…」など、不安を覚えること、気になる症状があれば、すぐに相談するようにしてください。
心の病気は、「よくなると信じる気持ち」も大切です。そのためにも、納得して治療を受けていただくことが重要です。
また当院では、お薬に頼らない治療としてTMS治療も行っています。お薬の服用に不安のある方、興味のある方は医師やスタッフにお声がけください。