うつ病
目次
うつ病とは?
うつ病は、様々なストレスが原因になって「病的なエネルギーの低下」が生じてしまう病気です。
うつ病にも様々なタイプがありますが、脳の機能的なバランスが乱れてしまい、そのために気分の落ち込み(抑うつ気分)や意欲低下、易疲労感などが認められ、思考力や集中力が低下して決断ができなくなり、過度に悲観的に考えてしまったりする病気です。
絶望感から「生きていても仕方ない」「死にたい」という感情が強まってしまうこともあり、自殺を選択してしまう方もいらっしゃいます。
気分障害よりも先に、食欲不振や不眠などの身体症状が現れる場合があります。またご本人は何とかなっていると思っていても、周囲からみたら心配な状態であるとことも少なくありません。
うつ病の原因は大きく、「外因性」「内因性」「心因性」に分けてみていくことができます。
原因
外因性(器質性・症状性)
なんらかの脳の機能的な異常を引き起こしてしまう病気や、頭の外傷や薬物などが原因のうつ病です。
アルツハイマー型認知症や脳梗塞。過去の頭部外傷など脳の病気や、甲状腺機能低下症、副腎皮質ステロイドなどの薬剤が原因になっている場合などがあります。
内因性
脳の機能のバランスが崩れてしまうことが原因のうつ病です。
とくに集中できないといった思考抑制、周りから責められている気がするといった過度な自責感は、内因性うつ病の症状として特徴的です。うつ状態の他に躁状態もある場合には、双極性障害(躁うつ病)とよびます。
心因性
心因性うつ病とは、ストレスに対する反応が原因となるうつ病です。
性格や環境がうつ状態に強く影響していて、そうしたストレスが重なったことが原因となります。
症状
精神症状
- 気分が沈む、重い
- 悲しい
- 不安
- 元気が出ない
- 集中できない
- イライラする
- 好きなことに興味がなくなった
- 物事を悪い方へ考えてしまう
- 死にたくなる
身体症状
- 眠れない
- 食欲が低下する
- 動悸がする
- 吐き気や下痢が続く
- 体が痛い
うつ病は、周囲から見ていて気付かない場合もありますが、もし「表情が暗くなった」「涙もろくなった」「反応が遅い」「そわそわ落ち着かない」「お酒の量が増えた」など、思い当たることがあればご相談ください。
治療
うつ病の治療としては、「薬物療法」をまず考えていくべきです。
とくに内因性うつ病の特徴が認められる方は、脳の機能のバランスの乱れが原因ですから、お薬による治療が望まれます。
しかしながらお薬に抵抗がある方もすくなくありません。
状態にもよりますが、お薬の治療も選択肢としても残していただきつつ、休息して様子を見ていくこともあります。
お薬に頼らないうつ病治療
近年では、「rTMS療法(反復経頭蓋磁気刺激)」が保険適用となりました。
磁気を利用して脳をピンポイントで電気刺激して、脳の働きを整える治療法になります。
新しい治療法のため保険適用の条件が厳しく、社会生活の中で治療していくにはクリニックでの自費治療が現実的となっています。
当院でも併設している東京横浜TMSクリニックにて、rTMS治療を行っています。
うつ病とTMS治療(外部HP)それ以外に、お薬に頼らない治療としては、「休養」「運動(軽度の場合)」などが挙げられます。
また再発予防も見据えた治療として、「認知行動療法などの心理療法」も有効です。
一般的なうつ病の治療の流れはこのような形ですが、近年ではうつ病も多様化しており、非定型うつ病といった従来とは異なるタイプのうつ病もあります。
うつ病の治療といっても、どのようなうつ病かによって本人の受け止めや家族の方の対応も異なってきます。主治医と相談しながら治療を進めていきましょう。
希死念慮が強く、具体的に死ぬことを考えてしまう場合は、万が一に備えて病院での治療が適切です。
当院ではクリニックでの治療が適切でないと主治医が判断した場合、ソーシャルワーカーが連携して入院調整を行わせていただきます。
うつ病でお困りの方へ
こちらの記事では、うつ病の症状や原因、治療についてご紹介してきました。
うつ病は多様さをみせており、その原因や症状の経過は人それぞれです。
当院ではTMS治療も導入しており、お薬やカウンセリングといった選択肢も含めて、患者さんごとに治療を相談していきます。
うつ病やうつ症状で悩まれたら、武蔵小杉こころみクリニックにご相談ください。
さらにうつ病について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
うつ病のページ(田町三田院HP)執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了