高血圧はどんな病気?食事や運動での改善方法や原因・症状・治療を解説
高血圧とは
高血圧は時間をかけてゆっくりと動脈硬化を強めていく病気です。
そのため、心臓や脳の血管に障害を引き起こし、重篤な病気を発症することもあります。
高血圧は日本国内だけで約4,300万人もの人が発症している罹患率の高い病気ですが、治療せずに放置してしまっているという方も少なくありません。
しかし、高血圧を治療するということは、心臓や脳といった重大な病気の予防に繋がります。
また、高血圧は重症化しなければ自覚症状も少ないため、気づきずらい病気です。
血圧を測る機会がないと見落としてしまいがちなので、定期的に血圧測定を行うことも大切です。
高血圧の原因
高血圧の原因は遺伝的な要因(血圧が上がりやすい体質)なども挙げられますが、生活的要因が大きく関連しています。
それぞれの原因を簡潔に解説していきましょう。
塩分の採りすぎ
1日の塩分摂取量は6gが目安とされていますが、味噌やしょうゆなどの調味料を多用する日本人の平均塩分摂取量は推奨量の倍以上となる10~12gです。
塩分を過剰に摂りすぎると血液中のナトリウム濃度が高くなり、それを薄めるために血液量が増えることで血圧も上がります。
肥満・運動不足
肥満といっても皮下脂肪がつくタイプと内臓脂肪がつくタイプに分かれます。
高血圧に関しては、内臓脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)」が大きく関与しています。
メタボリックシンドロームは血液量が増加するだけでなく、心臓にも負担をかけてしまうので注意が必要です。
また、肥満の方の高血圧を発症するリスクは、肥満でない方の2倍も高くなります。
さらに、運動不足は高血圧だけでなく、肥満の原因にも繋がります。
乱れた生活習慣・ストレス
以下のような乱れた生活習慣がある方は、高血圧のリスクが高くなります。
- アルコール
- 喫煙
- 過食
上記の他、ストレスも高血圧の原因の1つです。
ストレスによって自律神経が乱れることで副交感神経が優位となり、血圧が高くなることもあります。
高血圧の症状
高血圧は軽度から中等度である場合、症状はほとんど現れません。
ここでは、血圧が急激に上昇した際の症状と、慢性的に高い場合に発症する可能性がある病気を解説していきましょう。
血圧が急に上がったときの症状
急に血圧が上がると以下の症状が現れることがあります。
- 頭痛
- 吐き気
- 動悸
- 意識障害
これを高血圧緊急症と呼びます。
上記の症状が出現した際はただちに血圧を下げる必要がありますが、起こる頻度はそれほど高くありません。
血圧が慢性的に高い場合
一時的に血圧が高くなるよりも、慢性的に高くなる方が血管に大きなダメージを与えます。
血管に高い圧がかかり続けることで、以下のような血管の問題を引き起こします。
- 動脈硬化:血管が固くなる
- 動脈瘤:血管にコブのようなものができる
- 動脈解離:血管が割ける
動脈瘤や動脈解離は手術が必要となる場合がある一方で、発症頻度が高いのが動脈硬化です。
動脈硬化が進行すると血管が破れたり、詰まったり、栄養素や酸素が十分に行き渡らなくなります。
全身の血管が障害されることですべての臓器が影響を受けることになりますが、とくに注意すべきは以下の病気です。
- 心臓:心不全・心筋梗塞・狭心症
- 脳:脳出血・脳梗塞
- 腎臓:高血圧性腎不全
これらは死に至る可能性や重い後遺症を残す恐れがあるため、高血圧は早い段階で治療を行うことが重要です。
高血圧の治療
高血圧の治療を行う目的は動脈硬化を防ぐことです。
しかし、重篤な病気を発症してから始めた場合は悪化を防ぐのみで、改善には繋がりません。
そのため、血圧の数値だけでなく、他のリスク因子を考慮しながら重症度を判断し、治療方針を決定します。
低リスクであれば3ヵ月、140~160でリスク因子がなければ1ヵ月の生活習慣の改善で経過観察を行います。
血圧が160以上を持続している場合は薬物治療の検討が必要です。
高血圧ガイドラインに基づいた代表的な降圧薬は以下の5種類です。
- ARB・ACE阻害薬
- 抗Ca(カルシウム)拮抗薬
- 利尿薬
- α遮断薬
- β遮断薬
1種類で効果が不十分であれば、上記を組み合わせて使用します。
飲み薬が苦手であったり、急激な血圧の低下に不安がある場合は、「フランドルテープ」や「イソソルビドテープ」などの貼り薬での対応も可能です。
血圧が180を超えている場合は、高血圧緊急症のリスクや重篤な病気を発症している可能性もあるため、より確実な治療を行う必要があります。
高血圧の予防・改善する生活習慣
高血圧と診断された方は重症度に関係なく、生活習慣の見直しが必要です。
とくに意識すべきは減塩です。
1日の塩分摂取量は6g未満を目標値としましょう。
以下のような食べ物には塩分が多いので注意が必要です。
- ラーメン:5~7g
- カレー:2~4g
- 塩サケ:5g
- たくあん(3切れ):1.2g
上記の食品を食べるだけで1日の推奨量はかんたんに超えてしまいます。
また、高血圧の方は脂質や飽和脂肪酸の摂取を少なめにし、野菜や果物、不飽和脂肪酸が豊富な魚などを積極的に摂るようにしましょう。
有酸素運動を行う習慣を取り入れたり、節酒や禁煙を行うことも高血圧の改善に繋がります。
食事の管理や運動をすることは高血圧だけでなく、肥満対策としても有効なので、日常生活に取り入れられるようにしていきましょう。
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